ヤマアカガエル 

アカガエル科 アカガエル属 Rana ornativentris Werner, 1903

 

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オス、静岡県

 
卵 ・ オタマ    鳴 き 声    文献 ・ 資料     写 真  

  本州に普通に見られるアカガエル。分布域が重なるニホンアカガエルと比べると山地に多い。たいてい同じ地域のニホンアカガエルと比較すると本種の方が大きいようです。(逆転している地域があったら教えて下さい。)後足は長く、ジャンプ力もかなりあります。吸盤は持たず、後足に水かきがあります。

分布

 本州、四国、九州、佐渡島

生態

 普段は、林床で昆虫などの小さな生き物を食べて暮らし、水の中に入ることはあまりありません。

生息場所

  おおむね森林の林床で暮らしています。標高の低い地域に分布する場合も、山ぎわや山中に生息し、ニホンアカガエルのように草原に侵出することはあまりないようです。

繁殖

  繁殖期(2月から4月)になると、山から水田など水辺にやってきて産卵します。一カ所での繁殖期間は、短くたいてい数日から長くても2、3週間です。

大きさ・色

  体はがっしりしており、雄で40mm~60mm、雌で40mm~90mmと、大柄です。
体色は、赤茶色から灰黒色に近いような焦げ茶色。腹側が黄色くなる個体もいます。本種では背側線が途中で途切れたり、目元で外側に大きく曲がっていて、それがニホンアカガエルとの識別点になります。

保全情報

  • 県指定天然記念物
    • 兜岩層産出カエル化石(群馬県)[1996/03/29指定]

各県のレッドデータ情報

各県のレッドリストカテゴリーは、制定当時の環境省カテゴリーと同等の場合はそのままのカテゴリー名で書いています。
○はその県に生息している、---は生息していないことを示します。
*は、県独自カテゴリーを示します。

    カテゴリ   その他
北海道   ブルーリストh(2004) → ブルーリストh(2010) → ブルーリストh**(2019)   **北海道の外来種リスト
青森県    ○  
岩手県    ○  
宮城県   カテゴリーなし(2001) → カテゴリーなし(2013) → カテゴリーなし(2016) → 準絶滅危惧(2021)  
秋田県    ○  
山形県    ○  
福島県    ○  
茨城県    ○  
栃木県   要注目種*(2005) → 要注目種*(2011) → 要注目種*(2018)  
群馬県    ○  
埼玉県   カテゴリーなし(1996) → カテゴリーなし(2002) → 準絶滅危惧(2008) → 準絶滅危惧2型(2018)*  
千葉県   絶滅危惧II類(2000) → 絶滅危惧II類(2006) → 絶滅危惧II類(2011) → 絶滅危惧II類(2019)   県独自のカテゴリ 
東京都(区部)    ---  
東京都(北多摩)   C(希少種)*(1998) → 絶滅危惧IB類(2010) → 絶滅危惧IB類(2021)  
東京都(南多摩)   C(希少種)*(1998) → 絶滅危惧IB類(2010) → 絶滅危惧IB類(2021)  
東京都(西多摩)   カテゴリーなし(1998) → 準絶滅危惧(2010) → 絶滅危惧II類(2021)  
東京都(本土部)   絶滅危惧II類(2021)  
神奈川県   健在種*(1995) → -(2006)  
新潟県    ○  
富山県    ○  
石川県    ○  
福井県    ○  
山梨県    ○  
長野県    ○  
岐阜県    ○  
静岡県    ○  
愛知県   カテゴリーなし(2001) → 情報不足(2009) → 情報不足(2015) →  カテゴリーなし(2020)  
三重県    ○  
滋賀県   希少種(2000) → 希少種(2005) → 希少種(2010) → 希少種(2015) → 希少種(2020)  
京都府   要注目種(2002) → 要注目*(2015)  
大阪府   準絶滅危惧(2000) → 絶滅危惧II類(2014)  
兵庫県   カテゴリーなし(1997) → 準絶滅危惧(2003) → 準絶滅危惧(2017)  
奈良県   カテゴリーなし(2006) → 希少種*(2016)  
和歌山県   準絶滅危惧(2001) → 準絶滅危惧(2012)  
鳥取県    ○  
島根県    ○  
岡山県    ○  
広島県    ○  
山口県    ○  
徳島県    ○  
香川県    ○  
愛媛県   カテゴリーなし(2003) → 情報不足(2014) → 情報不足(2020)  
高知県    ○  
福岡県   絶滅危惧II類(2001) → 絶滅危惧II類(2014)  
佐賀県   絶滅危惧II類(2003)  
長崎県   絶滅危惧II類(2001) → 絶滅危惧II類(2011) → 絶滅危惧II類(2016)  
熊本県   カテゴリーなし(1998) → 準絶滅危惧(2004) → 準絶滅危惧(2009) → 準絶滅危惧(2014) → 準絶滅危惧(2019)  
大分県    ○  
宮崎県    ○  
鹿児島県    ○  
沖縄県    ---  

ハペ文化

地方名

  • 東北地方(両羽)、澤必帰(さわひき?)、松森胤保, 1883-1892, 両羽博物図譜、

ハペ文化

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その他

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文献・資料

書籍

  • 日本爬虫両類類学会編, 2021, 新日本両生爬虫類図鑑, サンライズ出版株式会社
  • 関慎太郎, 2021, 野外観察のための日本産両生類図鑑  第3版, 緑書房, 東京
  • カエル探偵団編, 2020, 見つけて検索!日本のカエルフィールドガイド, 文一総合出版, 東京
  • 松井正文・前田憲男, 2018, 日本産カエル大鑑, 文一総合出版, 東京
  • 松井正文, 2016, ネイチャーウォッチングガイドブック日本のカエル, 誠文堂新光社, 東京
  • 関慎太郎, 2016, 野外観察のための日本産両生類図鑑, 緑書房, 東京
  • 内山りゅう・前田憲男・沼田研児・関慎太郎, 2002, 決定版日本の爬虫両生類, 平凡社, 東京
  • 前田憲男・松井正文, 1999, 改訂版日本カエル図鑑, 文一総合出版, 東京

学術論文

著者, 発行年, 論文タイトル, ジャーナル名, 巻号, ページ

原記載(1903年)

  • Werner, F. 1903. Über Reptilien und Batrachier aus Guatemala und China in der zoologischen Staats-Sammlung in München nebst einem Abhang über seltene Formen aus Anderer gebieten. Abhandlungen der Mathematisch-Physikalischen Classe der Königlich Bayerischen Akademie der Wissenschaften. München 22: 342–384.

最新記載(2007年)

  • Hillis, D. M. 2007. Constraints in naming parts of the tree of life. Molecular Phylogenetics and Evolution 42: 331–338.

  • 著者, 発行年, 論文タイトル, ジャーナル名, 巻号, ページ

ウェブ・メディアなど

  • ウェブ名称など, URL
  • 新聞など媒体名, 発行年月日, 記事見出し, (URL)

その他

  • その他