ヤエヤマヒメアマガエル 

ヒメアマガエル科 ヒメアマガエル属 Microhyla kuramotoi Matsui et Tominaga, 2020

 

Microhyla kura

オス、沖縄県西表島

 
卵 ・ オタマ    鳴 き 声    文献 ・ 資料     写 真  

 これまでヒメアマガエルM. okinavensisとされていた八重山諸島の集団が、遺伝的分化程度、近縁種との系統関係、外部形態の違いに基づき2020年に別種とされました。

分布

 沖縄県の八重山諸島(石垣島、西表島、竹富島、小浜島、波照間島など)

生態

 幼生は耕作地、湿地や田んぼの水たまり、集水桝など止水環境があれば、多くの場所で見られます。幼生のサイズは全長で20-25㎜程度。夜間に止水環境の周辺の地面でよく鳴き声を聞きますが、落ち葉や草陰に隠れて、鳴いているため、姿を見るためには鳴き声を頼りによく探す必要があります。成熟までの年齢、成熟後の寿命も不明です。宮古島以北のヒメアマガエルよりも繁殖期は長いようで、ほぼ1年通して幼生が見られ、冬季でも気温の高い日には鳴き声も聞こえます。餌動物は不明ですが、水辺の小動物を捕食していると思われます。

生息場所

産卵場所となる止水環境があれば、耕作地周辺、森林など幅広い環境に生息しています。

繁殖

春から秋が主な繁殖期ですが、冬季でも暖かい日にはオスの鳴き声が聞こえます。繁殖期には多数のオスが産卵場所付近で鳴きかわします。雄は、落ち葉、草陰などで隠れて鳴くことが多いです。オスの鳴き声はギー、ギー、ギーコ、ギーコというような声です。道路わきの集水桝、湿地、耕作地や山地の水たまりなどの止水環境の幅広い環境で産卵します。卵径は1-1.3㎜程度で、ヒメアマガエルと同じく、卵の発生は極めて早く、産卵後1-2日で孵化するようです

大きさ・色

オスで頭胴長が24-28㎜程度、メスで頭胴長が29-33㎜程度とオスのほうが小型で、宮古島以北のヒメアマガエルよりやや大型です。オスにもメスにも背面には左右対称な黒褐色の大きな斑が見られます。腹面は、喉から腹部の中ほどまで細かい暗褐色の斑紋が見られます。

保全情報

  • -

各県のレッドデータ情報

各県のレッドリストカテゴリーは、制定当時の環境省カテゴリーと同等の場合はそのままのカテゴリー名で書いています。
○はその県に生息している、---は生息していないことを示します。
*は、県独自カテゴリーを示します。

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ハペ文化

地方名

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ハペ文化

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その他

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文献・資料

書籍

  • 関慎太郎・(監修)松井正文, 2021, 野外観察のための日本産両生類図鑑 第3版, 緑書房, 東京

学術論文

著者, 発行年, 論文タイトル, ジャーナル名, 巻号, ページ

原記載(1901年)

  • Stejneger, L. 1901. Diagnoses of eight new batrachians and reptiles from the Riu Kiu Archipelago, Japan. Proceedings of the Biological Society of Washington 14: 189–191.

最新記載(2020年)

  • Matsui, M., & Tominaga, A. 2020. Distinct Species Status of a Microhyla from the Yaeyama Group of the Southern Ryukyus, Japan (Amphibia, Anura, Microhylidae). Current Herpetology, 39(2), 120–136.
  • Dubois, A. 1987. Miscelanea taxinomica batrachologica, II. Alytes. Paris 6: 1–9.

ウェブ・メディアなど

  • 琉球大学富永研究室, お知らせ・活動報告, 八重山のカエル2種の記載, http://www.cc.u-ryukyu.ac.jp/~tominaga/posts/post15.html
  • 八重山毎日新聞, 2020.09.05, 八重山 カエル2種が新種と判明 独自の形成過程示す ヤエヤマヒメアマガエル ヤエヤマカジカガエル(http://kyodoshi.com/article/7501)
  • ウェブ名称など, URL
  • 新聞など媒体名, 発行年月日, 記事見出し, (URL)

その他

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