ナミエガエル 

ヌマガエル科 クールガエル属 Limnonectes namiyei (Stejneger, 1901)

 

 

namiegaeru01

オス、沖縄県沖縄島

卵 ・ オタマ    鳴 き 声    文献 ・ 資料     写 真  

 沖縄島に固有で半水棲の大型のカエルです。瞳が菱形で赤く、体はぬめぬめしています。ミジワクビチと呼ばれ、ホルストガエルとともに食用・薬用とされていましたが、現在では天然記念物として保護されています。
沖縄本島の一部にしかいない貴重なカエルです。絶滅危惧種で、沖縄県の天然記念物に指定されています。雄と雌の大きさはあまり変わらないか、むしろ雄の方が大きいようです。頭が大きく、ずんぐりとした肥満型で、手足はふと短いです。触るとぬるぬるしています。吸盤はなく、後足の短い指の間に発達した水かきを持ちます。

分布

沖縄本島の北部

生態

 林道で見かけることもありますが、普通あまり川から離れることなく、暮らしています。渓流の転石に座っているのを良く見かけます。普通のカエルとは異なり、エビやカニなどの水生生物を餌としています。水の中をすばやく泳ぐ能力があり、水中でも餌取りをしているという話もあります。

生息場所

 豊かな森林の渓流沿い。

繁殖

 繁殖期は4月-6月で、渓流の源流沿いの流れの緩やかなところで行われます。

大きさ・色

 大型で、成体は雄で79-117mm(平均99mm)、雌で72-91mm(平均85mm)です。体色は、茶色から黄土色ですが、まるで全身ほこりがかぶったように黒く汚れて見えます。
卵の大きさは2.2-2.5mmほどで、動物極は茶褐色です。幼生は成長すると全長40mmほどに達します。

保全情報

  • 国内希少野生動植物種(2016)
  • 環境省レッドリスト カテゴリー
    • 希少種(1991) → 絶滅危惧II類(1997) → 絶滅危惧IB類(2006) → 絶滅危惧IB類(2012) → 絶滅危惧IB類(2015) → 絶滅危惧IB類(2017) → 絶滅危惧IB類(2018) → 絶滅危惧IB類(2019) → 絶滅危惧IB類(2020)
  • 県指定天然記念物
    • 沖縄県(1985)

各県のレッドデータ情報

各県のレッドリストカテゴリーは、制定当時の環境省カテゴリーと同等の場合はそのままのカテゴリー名で書いています。
○はその県に生息している、---は生息していないことを示します。
*は、県独自カテゴリーを示します。

    カテゴリ   その他
北海道    ---  
青森県    ---  
岩手県    ---  
宮城県    ---  
秋田県    ---  
山形県    ---  
福島県    ---  
茨城県    ---  
栃木県    ---  
群馬県    ---  
埼玉県    ---  
千葉県    ---  
東京都    ---  
神奈川県    ---  
新潟県    ---  
富山県    ---  
石川県    ---  
福井県    ---  
山梨県    ---  
長野県    ---  
岐阜県    ---  
静岡県    ---  
愛知県    ---  
三重県    ---  
滋賀県    ---  
京都府    ---  
大阪府    ---  
兵庫県    ---  
奈良県    ---  
和歌山県    ---  
鳥取県    ---  
島根県    ---  
岡山県    ---  
広島県    ---  
山口県    ---  
徳島県    ---  
香川県    ---  
愛媛県    ---  
高知県    ---  
福岡県    ---  
佐賀県    ---  
長崎県    ---  
熊本県    ---  
大分県    ---  
宮崎県    ---  
鹿児島県    ---  
沖縄県   危急種(1996) → 絶滅危惧IB類(2005) → 絶滅危惧IB類(2017)   県指定天然記念物

ハペ文化

地方名

-

ハペ文化

-

その他

-

 

文献・資料

書籍

  • カエル探偵団編, 2020, 見つけて検索!日本のカエルフィールドガイド, 文一総合出版, 東京
  • 松井正文・前田憲男, 2018, 日本産カエル大鑑, 文一総合出版, 東京
  • 佐々木健志・山城照久・村山望, 2016, 生態写真と鳴き声で知る沖縄のカエル全20種, 新星出版株式会社, 沖縄
  • 松井正文, 2016, ネイチャーウォッチングガイドブック日本のカエル, 誠文堂新光社, 東京
  • 関慎太郎, 2016, 野外観察のための日本産両生類図鑑, 緑書房, 東京
  • 内山りゅう・前田憲男・沼田研児・関慎太郎, 2002, 決定版日本の爬虫両生類, 平凡社, 東京
  • 前田憲男・松井正文, 1999, 改訂版日本カエル図鑑, 文一総合出版, 東京

学術論文

著者, 発行年, 論文タイトル, ジャーナル名, 巻号, ページ

原記載(1901年)

  • Stejneger, L. 1901. Diagnoses of eight new batrachians and reptiles from the Riu Kiu Archipelago, Japan. Proceedings of the Biological Society of Washington 14: 189–191.

最新記載(1990年)

  • Maeda, N., and M. Matsui. 1990. Frogs and Toads of Japan. Second Edition.  Tokyo, Japan: Bun-ichi Sogo Shuppan Col., Ltd..

ウェブ・メディアなど

  • ウェブ名称など, URL
  • 新聞など媒体名, 発行年月日, 記事見出し, (URL)

その他

  • その他